

投稿者のしんです。
私は、新卒で特別養護老人ホームに入社しました。
その後かれこれ10年以上、介護現場で働いています。
2年~3年で、1つの部署を異動してきました。
特別養護老人ホーム、グループホーム、ショートステイをこれまで経験し、今に至ります。
今後のキャリアとしては、「しろくま介護ナビ」を利用して、在宅施設のサービスを経験していく予定です。
日本の介護の現状と課題を、施設介護の観点から学びたいと思っております。
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私は、長年、介護現場で多くの失敗をしてきました。
その経験を通して、お伝えできることがあります。
こちらの記事で少し楽になると思います(^^)
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この記事では、特別養護老人ホームについて書いていきます。
特別養護老人ホームは、別名「特養(とくよう)」と呼ばれます。
介護施設の中では、とても人気のある施設です。
介護職の方でも、経験されてている方が多いのではないでしょうか。

- 特養の仕事内容は経験しておくべき?
- 特養で働くとどういうメリット・デメリットがあるの?
これらをお伝えしていきたいと思います。
私自身、特養での経験が一番長いです。
そのため、リアルな情報をお伝えできると思います。
特別養護老人ホームの仕事内容は経験しておくべき?【経験談】

最初に結論からお伝えします。
介護職の方は、特養の仕事内容を1度は経験しておいた方が良いです。
その理由を、この記事で説明します。
みなさんは、特養の仕事内容についてご存じでしょうか?
ネットで検索すると、どれも同じことが書いてあると思います。
それらの情報は合っている部分もありますが、現場経験者からすると「?」と感じる部分もあります。
そのため、この記事では経験者がお伝えする情報なので、確かなものになります。
それでは、まず簡単に特養の概要をお伝えします。
特別養護老人ホームはどんな施設?
施設の概要
介護老人福祉施設とも呼ばれ、公的な介護保険施設の1つです。
居室の環境は、「従来型」と「ユニット型」の2つに分けられます。
従来型とは、主に4人部屋等の多床室(相部屋)で、ユニット型は個室です。
2002年にユニット型が制度化されました。
そのため、2002年以降の施設は基本的に「ユニット型」です。
また、もともと従来型だったところをユニット型に変えている施設もあります。
しかし、まだ4人部屋等の多床室があるところも存在しているようです。
入所できる人の条件は?
下記の3つのどれかに該当されている方になります。
- 介護度が要介護3以上で、感染症などの医療的処置を必要としない方
- 特定疾病が認められた要介護3以上で40際~64際までの方。
- 特例による入居が求められた要介護1~2の方。
特定疾病とは?
- がん(がん末期)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靭帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗しょう症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
特例による入居が求められた要介護1~2の方とは?
- 認知症で、日常生活に支障をきたすような症状等が頻繁にみられる。
- 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障をきたす。
- 深刻な虐待が疑われる等、心身の安全・安心の確保が困難な状態。
- 単身世帯等家族等の支援が期待できず、地域での介護サービス等の供給が不十分。
生活保護受給者でも入所することは可能?
特養は、老人福祉法に基づく居住施設なので可能です。
医療費についても医療扶助が適用され自己負担がなくサービスを受けることができます。
特別養護老人ホームが人気の理由は?

人気の理由は主にこれらがあります。
- 料金が比較的安い
- 比較的に設備が充実している
- 原則終身に渡って介護が受けられる(看取り対応が可能)
- 必要な地域に整備されている
有料老人ホーム等と比べ、入所に伴う料金が安いです。
詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。
さらに詳しく
- 【参考】探しっくす:特別養護老人ホームにかかる費用
- 【参考】探しっくす:有料老人ホームにかかる費用
しかし、現状は人気があるからこそ、入所するまでの待機時間が長いことが課題になっています。

令和元年の時点で、特養の入所希望者は292,487人おられるようです。
詳しくは、こちらのデータを見てみて下さい。
さらに詳しく
【参考】厚生労働省:特別養護老人ホームの入所申込者の状況
それでは、ここからは特別養護老人ホームで働く介護職の説明をしていきます。
特別養護老人ホームの仕事内容は?
- 施設サービス計画に基づいて入浴・排泄・食事などの介助
- レクや行事などのご利用者が楽しめるような企画、実行
- 各種書類作成業務
これらがあります。
介助面に関しては、入所されているほとんどのご利用者に何らかの介助に必要なことが多いです。
書類作成業務の量は、働かれている施設にもよります。
行事の企画書や報告書、事故報告書・ヒヤリハット等は、どの施設でも基本的には介護職が作成していると思います。
特養の1日のスケジュールとは?
おそらくどの施設もだいたいこのスケジュールです。
8:00~ 朝食
9:00~ 排泄介助
10:00~ ティータイム
10:30~ バイタル測定、入浴介助開始
11:30~ 昼食準備
12:00~ 昼食
13:00~ 排泄介助
13:00~ 入浴介助開始
15:00~ おやつ
16:00~ 排泄介助
17:30~ 夕食準備
18:00~ 夕食
19:00~ ナイトケア(就寝ケア)
21:00~ 就寝
施設により多少時間が前後するとは思います。
しかし、ほとんどがこのような感じだと思います。
このスケジュールを早出者と遅出者、だいたい2名ですすめていくといった感じです。
【メリット・デメリット】特別養護老人ホームの特徴をお伝えします

それでは、特養で働くうえでのメリット・デメリットをお伝えします。
介護にこれから携わる方や、未経験の方は個人的にまず特養で働くことをおすすめします。
特別養護老人ホームで働くとどんなメリットがあるの?
メリットはこちらです。
- 介護技術が身につく
- 多職種の知識が身につく
- 要領良く仕事できるようになる(時間管理)
- 介護の基礎が学べる(ケアプランの作成)
- 指導力が身につく
順番に説明していきます。
介護技術が身につく
これは、特養ならではですね。
入所されている方が、要介護3以上の方が多いため、ほとんどのご利用者に何らかの介助が必要になります。
効率さ、丁寧さ、正確性、質の高い技術を習得することができます。
特養である程度経験していると、介護技術に関してはどこの介護施設でも通用します。
余談ですが、排泄介助で自分があてたパットがずれているのが原因で尿失禁した場合。
叱られることもあります(笑)
「ちゃんと(パット)当たってないやん!」となります。
もちろん職員全員ではないですが。

多職種の知識が身につく
特養には、介護職以外に他の専門職の方がいます。
看護師、リハビリ職、管理栄養士など。
これらの職種と連携し、1人のご利用者の生活を支えます。
そのため、それぞれの職種の専門知識を身につけることができます。
要領良く仕事できるようになる(時間管理)
特養の現場は、自分で時間の管理をしていかなければいけません。
排泄介助が終わったと思ったら、「もうこんな時間!」ということが多いです。
正直、ゆっくりまったりしていると、どんどん時間がおしていきます。
職員のみんな、時計は穴があくほど見てると思います(笑)
しかし、ご利用者の生活を支えることが主な仕事です。
忙しいからといって、ケアが荒くなると本末転倒です。
そのため、嫌でも要領が求められます。

介護の基礎が学べる(ケアプランの作成)
特養では、基本的に看取りを行います。
そのため、1人のご利用者が施設に入所されてから亡くなるまでの時間関わります。
もちろんですが、ご利用者の状態は徐々に低下していきます。
状態が低下していくにあたり、ケアを見直していかなければいけません。
また、施設にもよりますが、介護職がケアプランを作成します。
そのため、介護を基礎から学ぶことができます。
私がいた特養では下記のことを介護職がしていました。
- ケアプランの作成(3か月に1回の更新)
- モニタリング(担当ケアマネと一緒に。1ヵ月に1回)
- ご家族とサービス担当者会議の日程調整
- 会議に出席し、ご家族にケアプランを説明

指導力が身につく
特養は職員の入れ替わりが激しいです。
毎年新人の方は入ってこられます。
また、1年の途中で中途採用者が入ってこられることもあります。
毎年、誰かの指導につくことになります。
私のいたところでは、プリセプター制度がありました。
介護職2年目以降は、プリセプターとなり新人指導に携わります。
特別養護老人ホームのデメリットは何があるの?
こちらがデメリットになります。
- 体への負担が大きい
- ご利用者1人1人と関わる時間は少なくなりがち
順番に説明していきます。
体への負担が大きい
入所されているご利用者の分だけ介助が必要です。
必然的に、常に動いている状態が発生します。
職員の要領にも関わってきますが。
そのため、疲れが溜まり体を痛める職員も多いです。
頭を使わず、体だけ使う介助は負担も大きくなります。
介護技術に自信がない方は、こちらを参考にしてみて下さい。
【参考】これさえ押さえれば体を痛めることはありません
ご利用者1人1人と関わる時間は少なくなりがち
働いている全員が、ご利用者全員ともっとゆっくり関わりたいと感じています。
しかし、介助の量が全体的に多いこともあり、物理的に難しくなります。
良いケアを求める=やらなければいけないことが増える
仕事を減らす努力も同時にしていかないと、業務にどんどん追われることになります。
この2点が、特養ならではの大変な部分です。
その他は、どの職場にもあることがあげられるかと思います。
- 人間関係
- サービス残業
- 低賃金 等

最後にみなさんにお伝えしたいこと
この記事では、特別養護老人ホームで働く際のメリット・デメリットを書いてきました。
いがかだったでしょうか?
私は新卒で、特別養護老人ホームに就職しました。
最初は毎日バタバタと時間が過ぎていきました。
「こんなこと自分にできるのか・・・。」
そう思ったことも何度もありました。
しかし、経験を重ねることで嫌でもできるようになりました(笑)
今では自信はあります。
- そのご利用者にとって、どの介助方法が一番適しているのか?
- 職員全員が一番体に負担がかからない介助方法は何か?
特養で経験を積んだことで、これらが分かるようになりました。
また、これらが分かるようになったことで、体に負担をかけず介助することができるようになりました。
介護技術を覚えるにあたり、特養は最適な職場だと思います(^^)
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