

投稿者のしんです。
私は、新卒で特別養護老人ホームに入社しました。
その後かれこれ10年以上、介護現場で働いています。
2年~3年で、1つの部署を異動してきました。
特別養護老人ホーム、グループホーム、ショートステイをこれまで経験し、今に至ります。
今後のキャリアとしては、「しろくま介護ナビ」を利用して、在宅施設のサービスを経験していく予定です。
日本の介護の現状と課題を、施設介護の観点から学びたいと思っております。
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介護をするうえで、「人間関係」の悩みは、必ずつきまといます。
私は、長年、介護現場で多くの失敗をしてきました。
その経験を通して、お伝えできることがあります。
こちらの記事で少し楽になると思います(^^)
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先日このようなツイートをしました。
私の認知症ケアの考え方
☑️自分の人生を自分で選択できる最後の時間
長年、この考え方でケアに携わっています。
この考え方で働くと、これまでの認知症の方の言動が違ったように見えます🙂この内容について、後日私のブログにて深堀りします🙂
— あだっさん (@RO1MWPq0wPb2sga) June 25, 2020
この記事では、認知症ケアの考え方について、書いていきたいと思います。
この考え方は、これまでの経験を経て、現在私が日々意識していることです。

- 認知症の方をどうやってみていけば良いの?
- 認知症の人って、どうしてあんなに頑固なの?
- どうして嫌がるの!
このように感じている方にとって、とても参考になると思います。
~もくじ~
【認知症ケア】介護拒否・される時間も・大切に【今何が大切?】

しん 認知症ってどんな病気なんだろう・・・。 認知症の方の行動は意味がわからない・・・。 こういった疑問や悩みについて、書いていきたいと思います ... 続きを見る
認知症の方には、さまざまな行動心理症状(BPSD)が出現します。
認知症ケアで、必ず介護者の頭を悩ませる内容として、「介護拒否」があります。
時として、手が出てくることも、暴言をはかれることもあります。
介護拒否につながる原因は、いろいろな原因が推測できますが、全てを改善することは不可能です。
認知症の困っている症状=認知症はやっかい
このような思いをもってしまう気持ちも分かります。
しかし、そういった症状に対する考え方を変えることができれば、違う視点から、ご利用者と接することができます。
認知症について知りたい方は、こちらも合わせてどうぞ。
認知症って何?
【介護負担】思い通りにいかないストレス
介護をする上において、何が一番ストレスになるのか。
それは、「介護者の思い通りにいかない」ことにあります。
相手の人間だから当たり前だと思いますが、事後対応ほど負担に感じることはありません。
認知症の方の全ての行動が事前に予想できるのなら、介護における負担をコントロールしやすいです。
しかし
認知症の方の行動が、それぞれの症状により「何を目的とし、している行動なのか」はほとんど分かりません。
- 排泄介助に介入ししようとすると、断られる
- お風呂に入ってもらえない
- 帰宅願望の対応に疲れているのに、本人が怒り出す
- 収集している物を、回収しようとして怒られる
全ての人が共通して起こりやすくなるわけではありませんが、これらのことも当たり前のように起こります。
注意ポイント
【介護拒否の原因】自分の言いたいことが伝えられない
日々の生活の中で、介護拒否につながる場面は多くあります。
- 無理に介入する
- 急に体を動かす等、本人を驚かす
- 本人の動きを制止する
- 本人が「話を聞いてもらえない」と感じる
本人自身も自分のことが分からない
認知症が進行して、認知症の段階が「中期」頃になると、
「自分が相手の声かけ等を、正常に理解することが難しくなっている」
これを自分で理解されている認知症の方はおられません。
基本的に、全員が「自分はおかしくない」と思っておられます。
しかし、介護者からすると、本人の訴えは支離滅裂。何が言いたいのか分からない。

【事実】認知症は進行すると、介助に入りやすくなる
介護拒否などがあると、介護者の精神的ストレスが増えます。
すると、どうしても認知症の方は「やっかい者」扱いされがちです。
介護者も人間です。
常に体調、精神状態が万全ということはありません。
忙しい時に限って、こっちがしんどい時に限って、なぜかご利用者が荒れることもあります。
しかし、「介護拒否」などの行動は、認知症が進行すれば消失します。
簡単に言うと、それで介護者が苦しむのは、今の時期だけです。
認知症がそれより進行することで、「拒否する」という行動すらできなくなってしまいます。
【介護拒否】自分の気持ちを自分で表現できる最後の時間

上でも説明しましたが、認知症は進行性の病気です。
介護者が介護拒否で悩んでいる時期も、その時期を過ぎたら拒否はほとんどなくなります。
- 自分の気持ちを自分で表現できる最後の時間
- 自分の人生を自分で選択できる最後の時間
になります。
今、その方の何を大切にするのか?【認知症ケア】
認知症ケアをするにあたり、
今、その方の何を大切にするのか?
この考えがとても大切になってきます。
- 入浴へ誘っても、入ってもらえない
- 排尿で汚れた下着を隠そうとする
これらの言動は、介護に携わる方なら、多くの方が経験しているのではないでしょうか?
介護者が望むような反応が返ってこないことは多いです。
「なぜお風呂に入るのは嫌なんだろう」、「なぜ下着を隠すんだろう」
その状況を変えたいなら、まず、考えないといけないことです。
しかし、逆に「なぜお風呂に入らないといけないの?」「なぜ隠したらダメなの?」
こう考えることも必要だと思います。
「できない」より「できる」方が良い
もちろん、「できない」より「できる」方が良いのは、その通りです。
- お風呂に入らないより入った方が良い
- 汚れた下着を隠さずに、洗濯にだしてほしい
- 汚れたパットを隠さずに、ゴミ箱に捨ててほしい
- 周囲の物を集めないでほしい
私もそう思います。
「衛生的に・・・」
「皮膚状態が・・」
これらを懸念しますからね。
ただ、介護者が「〇〇してほしい」と思っていても、本人がそう思っていない場合もあります。
認知症が進行すれば、嫌でも介入できるようになります。
介護拒否は、ほとんどなくなります。
認知症の中期頃の時期は、介護者は確かに大変です。
しかし
「介護拒否」はその人に残された最後の「嫌だ!」という気持ちを表現できる時間
これも忘れないでください。
ケアは考え方しだい【具体例から提案】

介護していている方にとって、よくある例をあげ、ケアの考え方をお伝えします。
具体例:最近、排泄での失敗が増えてきた(尿失禁していることが多い)
この場合、今後どう対応していきますか?
- 「尿失禁しないように」ケアを考える
- 尿失禁しても「清潔が保てやすく」するケアを考える
この2つです。
「尿失禁しないように」ケアを考える
みなさんも、まずこれを考えると思います。
- 尿失禁にいたる理由を考える
- 排泄アイテムの変更
- 排泄介入時間の変更
- 排泄の方法(トイレ誘導するのか) 等
尿失禁しないようにケアを考えるには、原因をまず考えます。
その原因に合わせ、ケアを変更していきます。
しかし
どうケアを考えても、尿失禁してしまう場合があります。
- 排泄の間隔も毎日バラバラ
- 自身でパンツを脱いだり、パットを抜いてしまう
このようなことが重なると、どうしても尿失禁してしまうような状況になります。
尿失禁しても「清潔が保てやすく」するケアを考える
排泄の失敗がないように、ケアを考えますが、どうしても無理な場合もあります。
その時は、尿失禁しても「できるだけ清潔が保てる」も視野に入れておくと良いと思います。
「他人にお世話をされる」多くの覚悟が必要
排泄に限ったことではないですが、「他人にお世話をされる」というのは、多くの覚悟が必要です。
- プライド
- 羞恥心
- できなくなっているといる現実
当たり前ですが、職員の介入を嫌がられる方もおられます。
そういう方にも、「失敗しないように」という視点でのケアも必要かと思います。
しかし
それ以上に「失敗した後に、できるだけ本人の気持ちに配慮し、ケアができるか」が重要になることもあります。
清潔・衛生面を大切にするのなら、下記の方法も一つです👇
- 「排泄は失敗しても良い」こと前提に自分で行ってもらう
- 「失敗した後に、羞恥心等に配慮しどう対応するのか」を考える
- 2日に1回はシャワー浴をする
こういうケアの方法もあるのかな?と思います。
2日に1回のシャワー浴等の話をすると、基本的に「そんな時間ない!」と言う方が多いです。
私も現場経験が長いので、分かります。
ただ、ケアを考える上で、勘違いしてはいけないこともあります。
勘違いしてはいけないポイント
- 「業務」に「ご利用者のケア」を合わせる ✕
- 「ご利用者のケア」に「業務」を合わせる 〇
さいごに
この記事では、認知症の介護拒否の考え方について、書いていきました。
「自分の人生を自分で選択できる最後の時間」
最後残された人生を、どのようにケアしていくのか。
その時期に、その人にとって何を大切にケアしていくのか?
介護をしていくにあたり、この視点が必要だと思っています。
そのため、私は介護の経験を重ねるたびに、悩むことが多くなっています。
「今、その人の何を大切にケアをしていくのか」
日頃のチーム内のカンファレンス等で、共有しておく必要があります(^^)
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