

投稿者のしんです。
私は、新卒で特別養護老人ホームに入社しました。
その後かれこれ10年以上、介護現場で働いています。
2年~3年で、1つの部署を異動してきました。
特別養護老人ホーム、グループホーム、ショートステイをこれまで経験し、今に至ります。
今後のキャリアとしては、「しろくま介護ナビ」を利用して、在宅施設のサービスを経験していく予定です。
日本の介護の現状と課題を、施設介護の観点から学びたいと思っております。
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介護をするうえで、「人間関係」の悩みは、必ずつきまといます。
私は、長年、介護現場で多くの失敗をしてきました。
その経験を通して、お伝えできることがあります。
こちらの記事で少し楽になると思います(^^)
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この記事では、コミュニケーションについて書いていきたいと思います。
介護者のストレスになる原因の1つに、ご本人の行動が理解できないということがあります。
介護職の方なら、「ご利用者の行動には何か意味がある」ということはご存じだと思います
しかし、それを毎日忙しくしている時でも、ずっと平常心で対応するのは大変です。
介護の介助方法には「見守り」と分類されるものがあります。
見守りとはどう介助方法なのか?
また、なぜ見守りが大切なことなのか、この記事で紹介していきたいと思います。
【見守りの大切さ】沈黙もコミュニケーションの1つです

みなさんは、見守りをどのように理解されていますか?
よく他の職員から申し送られる方もおられると思います。
- 見守りをお願いします。
- このご利用者は見守りが必要です。
介護現場ではよく聞く言葉ですが、見守りとはどういう意味なのでしょうか?
みなさんが、後輩に聞かれた時どういう説明をしますか?
見守りとは一体どういう意味?
介護現場で「見守り」という言葉を使うときは、主に下記の3つの場面があります。
- ユニットに職員が不在になり、事故が起こる危険がある時
- ご利用者の情報が少なく、状態が分からない時
- 基本的には自分でできるが、時々できない時がある方の対応
ポイント
- 事故が起こらないように注意する
- ご利用者の状態観察をする
- ご利用者の行動を声かけで促す 等
見守りする時に意識しなければいけない2つのポイント
「見守り」という言葉は、使う場面により目的が異なると説明しました。
しかし、共通して意識しなければいけないポイントはあります。
それがこちらになります。
- ご利用者を観察する
- コミュニケーション(沈黙)をとる
ご利用者を観察する
ご利用者の観察は、幅広い意味でとらえることができます。
施設に入所されているご利用者の方には、下記のようなポイントで観察します。
- 普段と違う様子はないか?
- 今日の体調・気分はどうなのか? 等
新規入所やショートステイの方等、慣れないご利用者の場合。
- どんな方なんだろう?
- どれだけ自分のことができるのだろう?
- 以前の利用と変わったところはあるのか? 等
なぜ、「職員とのトラブルが多い=観察力が不足」になるの? その理由をお伝えします。 人間 ... 続きを見る
これらは、ご利用者の言動をみて観察することになります。
一定のADL(日常生活能力)を理解していても、その日の体調や気分、性格によりムラは出ます。
その日・その時の状態に合わせケアを考えなければいけません。
観察力を身につけるコツをお伝えします
コミュニケーション(沈黙)をとる
コミュニケーションと説明すると、どうしても「話す」ということに目がいきがちです。
しかし、ご利用者とのコミュニケーションで最も重要なのは「聴く」ことです。
「うんうん」「そうなんですか」等あいづちをうち、相手に聴いていることを態度で示す必要がある場面もあります。
しかし、「沈黙」が必要になることも多くあります。
認知症のご利用者の対応には「沈黙」が大切

みなさんご存じの通り、認知用の方の行動には「本人しか分からない理由」があります。
「無意識で行動を起こす」ことはほとんどないと言われています。
介護者には「その方の世界観」に共感した対応が求められます。
そのご利用者が発言している内容は、ご本人からすると「事実」なので。
認知症になると、自分が頭で考えていることをまとめ、文章にして、言葉に出すという能力が低下していきます。
簡単にいうと、思っていることを口にするのに時間がかかるということです。
介護者が良かれと思ってしている声かけが、ご利用者が頑張って考えている時間を邪魔をしていることもあります。
また、声をかけられたことで、考えていたことを忘れてしまうこともあります。
ご利用者がイライラしたり、「うるさい!」と怒る気持ちも分かりますよね?
私たちなら「今考えているから静かにしていて」と伝えることができるんですけど。
認知症の方は、その言葉も時間がかかります。
事故が起こらないように見守る【対応の仕方を勘違いしない】
事故が起こらないように「見守り」をする。
介護現場では、ほぼ毎日のように使う言葉だと思います。
では、事故が起こらないように見守るとはどういうことなのか?
3つのポイントから説明していきます。
行動を制止するのではない
認知症の方の行動も、私たちと同じように「理由」があります。
- もうご飯だからこっちに来て。
- 立つと危ないから座っといて。 等
理屈が通らないご利用者にとって介護者の行動を制限する対応は、ストレスにしかなりません。
危ない環境にならないかを確認する
- 床が濡れていて転倒される危険がある
- キッチンの戸棚をいらうことで、包丁でケガする危険がある
- 洗剤類を飲まれ異食される危険がある
- 他のご利用者と喧嘩になる危険がある 等
ご利用者がケガされる危険がある場合は、危険なものを除去したり、違う場所への誘導が必要です。
職員の数が足りず、ずっと側につけない時は、ご本人の言動から事前に危険になりそうなものを予測し、除去しておく必要があります。
また、その時は他の職員にも情報を共有し、職員1人以上の目で見守ることが大切です。
何か求められた時に声をかける
認知症の方の行動心理症状(BPSD)の対応をする時は、まずは「沈黙」で「観察」して相手の行動の理由を考えます。
何か行動をされている時は、おそらくご本人の頭の中は、そのことでいっぱいです。
介護者が何を言っても伝わりにくいと思います。
笑顔でただ側にいてあげて下さい
こちらから声をかけるタイミングは、先に説明した「危ない場面」になる直前か、ご利用者から何かを求められた時で大丈夫です。
ご本人が自分で納得できるように声をかけてみる(気が変わるまで待つ)
ご利用者が自分で納得できるまで待つといっても、さすがに永遠に待つことは無理ですよね。
そのため、時々「場面を変える」ために声をかけてみるのも良いと思います。
- お腹空いてきましたね。コーヒーでもいれましょうか?
- 寒くなってきましたね。上着でも取りに中に入りますか? 等
声をかける間隔は一概には言えませんが、5~10分に1言くらいのペースで良いと思います。
何度も何度も声をかけられるのは、うっとおしいと思いますので。
ただ見ているのは「見守り」ではありません
この動画のように、ただ何もせず見ているだけは、「見守り」ではありません。
ご利用者(店員)が会話をしたいのに、介護者(お客)がそれに答えない。
きっとこの後、このご利用者(店員)はストレスがたまったに違いありません。
介護者がこんな対応をしていると、信用はしてもらえなくなります。
この介護者が入店拒否になる日も近いでしょう。
最後にみなさんにお伝えしたいこと
この記事では、「見守り」について書いてきました。
いかがだったでしょうか?
介護現場では、当たり前のように使われる言葉です。
しかし、実際に見守りをするといっても、何を意識すれば良いのか?
どういったところに注意しなければいけないのか?
これらを知っているのと知らないのでは、ご利用者の人生が大きく変わってきます。
見守りの仕方がうまい職員は、ご利用者の変化にも早く気づいてあげることができます。
介護職に慣れていない職員の方は、ぜひこの「見守り」のスキルを磨いてみて下さい(^^)/

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