
みなさん、こんにちは。
しんです。

日々介護で疲れている方に、少しでも届けたいと思い書かせて頂きます。
読者のみなさんへ
私は、介護福祉士として10年以上介護に携わっています。
これまで、在宅で介護されている介護者の方に、負担が少なる在宅介護の相談にのってきました。
この記事では、主に介護者の負担軽減に特化した内容になります。
しかし
決して高齢者虐待をすすめるものではありません。
これは勘違いしないでください。
この記事でお伝えしたいこと
- 介護疲れの現実
- 介護疲れの負担が軽減する2つの方法
- 疲れを口に出せる場所はある
みなさんの負担が少しでも少なるなるように、心をこめてこの記事を書きたいと思います。
前置きが長くなりましたので、ここから説明していきます。
介護負担の現状を理解しよう

介護の選択肢についてご説明する前に、「介護の理想」を知っておいてもらう必要があります。
まずは、介護の理想とは何なのかを理解しておいて下さい。
介護の理想とは
介護される方が「何を必要としているのか」「何を求めているのか」ということを理解し、一人の人間として無条件に尊重されることです。
これのお手伝いをするのが、介護者の役割となります。
認知症ケアでいうと、「パーソンセンタードケア」というものになります。
施設で働く介護福祉士の方は、この理想を追い求める仕事です。
「介護をしてお金をもらっている立場」としての責任だと思っています。
施設の介護職の方はどのように介護していくべきなのか。
その記事は、今後書く予定にしています。
介護疲れに苦しむ現状
介護の現状は本当に辛いものになっています。
こちらの表をご覧ください。

厚生労働省 自殺の統計:各年の状況
こちらは令和元年中の自殺者のデータになります。
注目は、この赤く囲われた部分です。
そうです。
悲しいことに、令和元年中に介護疲れが原因で自殺された方は、243人もおられるんです。
自殺者以外にも、介護殺人のニュースも時々目に飛び込んできます。
病気などを理由に介護されるようになると、その本人だけでなく家族の人生も変えてしまうことになるんです。
介護者も生活を営むために、仕事をしなければなりません。
「生活のために仕事をしながら、介護も同時に行う」
想像するだけでもしんどいのは目に見えていますよね。
介護保険制度の現状
介護が必要となると、介護保険制度を利用します。
介護保険は、介護が必要な方や介護者を助けてくれる制度ですが、課題もあります。
現状として、重度の介護度の方の対応が間に合わっていません。
福祉用具のレンタルや、各施設サービスを利用していても、在宅でみないといけない時間は、必ず発生します。
注意ポイント
・施設の入所を予約しても、すでに予約待ちの人数が多いため順番が回ってくるまで、在宅サービスを利用しつつ待機することになります。
【必見】介護疲れには選択肢がある

「介護うつ」という言葉をご存じでしょうか?
介護をしていくと、身体的にも精神的にも疲れがたまります。
それにより介護者が「うつ」状態になってしまうことを言います。
介護で疲れる原因
介護で疲れる原因は大きく分け、3つに分けることができます。
それは下記です。
- 身体的ストレス
- 精神的ストレス
- 経済的ストレス
身体的ストレス
病気や老化で体の能力が低下していくと、介護者が介助することが増えます。
日々の仕事で疲れて帰り、介護で体を休める時間がなくなり、また仕事・・・。
私もよく、顔のほほがこける程疲れたご家族の姿を多くみてきました。
精神的ストレス
- 自分の思い通りにいかない
- 休める時間がない
- 未来がみえない
多くはこのようなストレスで、疲れやストレスがたまります。
経済的ストレス
介護は無料でできるものではありません。
介護に必要な物を揃えるのにも、お金が必要になります。
介護にかかる費用の比較
では
いよいよ具体的な方法を説明します。
介護疲れを軽減する方法
具体的な方法は2つです。
- 介助する時間・頻度を減らす
- 問題行動を制限する
この2つは明日からでも、試してみることができます。
また、後述する説明には、食事面・排泄面の具体例をあげつつお伝えします。
➀ 介助する時間・頻度を減らす
介護の基本に「残存能力の維持」というものがあります。
その方のまだ保有されている能力を維持しようというものです。
ご本人の残存能力の活用することで、介護者の負担は減らせます。
具体例1:食事面
・自助具の使用を検討する。
「手は動くけど、うまく食べれていない」
「食べこぼしが多い」
「片手が不自由だから、お皿が動いて食べにくそう」
これらのことが、自助具で解決することも多いです。

私個人としては、介護で使用する消耗品などは、ネットでの購入が良いと思っています。
良いと感じる点は下記です。
- 買い物にいく手間が省ける。
- 持ち運びを考えなくて良い。
- 買い忘れた時でも安心。
- 携帯一つで、他の便利グッズがみれる。
購入できるサイト
- Amazon(アマゾン):https://amzn.to/3dBIA7a
- 楽天市場:https://a.r10.to/hz0qpH
具体例2:排泄面
「自分でできなから手伝わないといけない」という考えは、「全部手伝わなければいけない」という考えになりがちです。
ポイント
「どうやったら自分でいけるか」を考えましょう。
残存能力を活用するケア
メリット
- 介護される側の現在の能力を低下を予防する。
- 介護者の無駄な負担を減らす。
デメリット
- 1つ1つのケアに時間がかかる。
- 怪我や事故が起こる可能性が高くなる。
残存能力を活用したケアの本質は、基本的に「見守り」です。
私のいろんな記事で説明していますが、全てのことに対してメリット・デメリットは存在します。
ケアをするにあたり、デメリットを「0」にできたら、良いですよね。
それは無理ですが(笑)
しかし
軽減できる方法はあります。
1つ1つのケアに時間がかかる
- 「手伝う」部分と「手伝わない」部分を決める。
- 置かれている状況によって、優先順位を決める(時間?怪我?本人の満足感?)。
- 本人に分かりやすいように、どこに何があるのか大きなメモを貼っておく。 等
本人の行動を急がせたりすると、精神的に不安定になりやすいので、極力控えた方が良いです。 みなさまこんにちは。 しんです。 日々介護職として、楽しく奮闘中です。 今回のテーマは 「自分に介護技術を覚えることなんかできるの!?」 「体を痛めずに、介護をしていきたい!!」 これから介護を経験さ ... 続きを見る
身体を痛めず介護しよう!
怪我や事故が起こる可能性が高くなる
- 腕や脚にレッグウォーマーをはいてもらう
- 使用する物品の位置
- 手すりなどの位置
- 動くスペースの障害の除去 等
これらは、主に「環境を考えていく」というものになります。 リスクマネジメント?何それ? なんて説明したらいいんだろう。 頭では分かっているけど、どうすればいいのか分からない。 このような方に参考になる記 ... 続きを見る
大きな事故を避けるためにすること!
➁ 問題行動を制限する
問題行動は、道具などのアイテムを使い回避をすることもできます。
適さない言い方としては、「制限する」ことができます。
みなさんは、「つなぎ服」はご存じでしょうか?
介護職の方なら、知っている方が多いのではないでしょうか?
つなぎ服とは?
つなぎ服のケアについて
メリット
- 介護者の負担を軽減できる。
- 介護者ペースの介護ができる。
- 脱がれる掃除をする等の心配がない。
デメリット
- ご本人の尊厳は大切にできません。
- 制限されるイライラで、他の行動を誘発する(暴力、暴言等)。
「つなぎ服」の使用は、介護に携わる方のなかでも意見は分かれます。
それは、高齢者虐待にあたる可能性があるからです。
でもね
はっきり言うと見方しだいです。
介護のケアには虐待に関して3つの視点があります。
- ブラックゾーン
- グレーゾーン
- ホワイトゾーン
ブラックゾーンは、法律で禁止されています。
グレーゾーンは、介護者の価値観で分かれます。
グレーゾーンのケアは、つなぎ服だけに限りません。
センサーマット、徘徊用GPS、スピーチロックなど多数あります。
【在宅介護の理想】共に自由な生活を送る

「介護者・介護される側の両者が、それぞれの自由な生活を確保できる」
このことが、在宅介護に必要になると思っています。
介護される側の気持ちを大切にするのはもちろんです。
その逆も然りです。
「どうやってバランスをとるか」これがすごく難しいことなんです。
認知症のせいで
好きだったおじいちゃん、おばあちゃんが嫌いになってしまう。
好きだった姿からどんどん離れていく。
顔をみるだけで、イライラする。
本当は嫌いになんかなりたくないのに・・・。
どんなに辛いことか。
そのために、専門職という介護のプロがいると思っています。
現場で働いている職員さん、ご家族からするとみなさんは介護のプロです。
私は、「介護者」も「介護される側」も余裕をもって生活することがお互いにとって良いと思います。
身体拘束は高齢者虐待なのも重々承知です。
しかし
グレーゾーンが、「虐待」とは一概には言えません。
それらのアイテムを使用することで、介護者が少しでも、余裕をもって笑顔で介護できる可能性があるなら、使うことも一つだと思います。
理想論で、「本人の尊厳」や「行動制限されたことでの本人の不穏症状」をよく聞きます。
間違っていないと思います。
でも
「理想の介護」をして、介護うつになるのは、「介護の理想」と言えるのでしょうか・・?
私はこれからも、どうしたら両者が余裕をもって介護できるかを考えます。
そして、ブログを通してみなさんに届けたいと思っています。
さいごに
介護に悩まれている方は、専門サービスに相談は必ずしていくださいね。
しっかり話を聞いてもらえ、より詳しく対応してもらえると思います。
また、愚痴や疲れを口に出せる場を作ることもおすすめします。
専門機関や地域の認知症カフェ。
ネットの世界でも、twitterやFacebookのグループなど。
優しい人が多くいますよ(*'▽')
介護に携わる方へ
私のブログでは、介護に役立つコツなどを書いています。
参考にしてもらえると思います。